高畑京一郎「クリス・クロス 混沌の魔王」読了

サクサク読める小説が大好きなので、ライトノベルはその点において最高
なんですが、詰めが甘い作品も多くて、着眼点も内容も良いけど、
「もうちょっと捻れば……」という作品には悔しさすら感じます。
これも、そういう小説でした。ウィザードリー風の仮想世界RPGを体験していた
プレイヤー達。しかし「魔王」が現れてから、ゲームの様相は一変する。
という粗筋。ベタですが、きっとなんかやらかしてくれるだろう
という期待のお陰でまったく飽きずに最後まで読めました。ラストの曖昧さも
主題と思われる「仮想と現実の混乱」としては相応しい締め方だったと思います。
読後の満足感は薄かったかですが。欲を言えばもっと長い尺でじっくりやって欲し
かったし、もっとなにが真実かわからなくなるくらいに振り回して欲しかった。
さらに欲を言えばこの大胆な設定を活かして「どんでん返し」の一つや二つを
ブチかましてくれれば最高だったのにな。評価は☆☆☆★くらい。


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