おもっくそネタバレレビューだし、ネタバレ書くけど、口コミだか触れ込みでラストが凄い!って色々煽られて俺も映画館で観た。過去の日記見たら2008年だったな。この胸糞云々で観ない人が意外と多い気はしていたので、このレビューは納得感ある。俺も当時ラストでなんじゃこりゃ!ってなったどっちかっていうとモヤモヤしまくってた方だけど。映画の内容はすげぇ面白いんですよ。息子とスーパーに買い物に行った時に町が霧に覆われてスーパーから出られなくなる。霧の中に大量の化け物がいるぞ!ってなるホラーな内容。スーパー内でパニックに陥った人々が化け物に殺されたり脅かされているうちにパニックに。スーパー内ではスーパーに立て籠もっているべきだ!と主張する側と、いや脱出するべきだ!っていう派閥に分かれて主人公は後者。映画のセオリーだと、主人公の選択は正しいし、ホラー映画のセオリーでいえば脱出するのが正しい。そして立て籠もっているべきだ!と主張する主に変なババアが宗教チックに人々を煽動するので、完全にヘイト溜める側として徹底的に描かれるので観客はババァ頭おかしい!主人公頑張れ!ってなるんですよ。そして脱出劇。脱出派のリーダーである主人公と息子、そして仲間たち。車に移動するだけの中でもどんどん仲間は化け物に殺されていく、車に残ったのは残り5名(ヒロインっぽい女、老夫婦、息子といういかにもホラーでは生き残りがちな正解メンバー)家にいるはずの奥さんも死んでいて、町を彷徨うなか、ついにガソリンは切れ車は止まる。拳銃の球はあと4発。化け物に殺されるぐらいならと息子を含めた残りのメンバーを射殺。そして拳銃の弾がない主人公は化け物に殺されようと号泣しながら車を飛び出す。けどいつまで経っても化け物は襲ってこない、そして霧が晴れていき、そこから現れたのは助けられて運ばれていく難民、完全武装したアメリカ軍、焼き払われていく化け物達という完全に救われた世界、立て籠もった際に最初に逃げ出した人たちの助けられた姿。それをみて絶望して叫ぶ主人公。FIN。という感じ。拳銃自殺している前のシーンはもうすでに音もなく静かな世界だったので、主人公達が冷静なら助かっていた可能性は高い。パニックに陥った時に取る選択肢がいかに危ないか、渦中にいる人間には実際には正しい選択肢はとりようがないとか、そもそも正しいと思い込んでいる事が間違っているかもしれないとか、そういう価値観の逆転とかそういうので徹底的に観客の価値観揺さぶってくる。主人公達の選択肢が正しいように徹底的にミスリードされまくって、騙されるので自分の考え方が正しいと思ってる人程悔しくなるようなそんな映画。