貫井 徳郎「慟哭」

正直な話、とある事によりせっかくのチャンスを台無しにされたような
気分で、それが何故か、誰の所為か等を書きたいのだが、それを書く事によって
まだ読んでない人に対して同じような事をしてしまうのだが
やっぱり悔しいので以下に書く(結局書くんかい)
(↓注意)

北村薫許すまじ! 帯に「どうかこの作品が驚く
作品だという事は誰にも言わないでください」等のような事が
書かれておりその時点で、どんでん返し物だという事がわかってしまった。
その所為で、途中でオチが判ってしまい、激しくショックをうけました。
どんでん返し物だと知った上で読むのと、そうとは知らずして読むのは
やっぱり違うと思うのですよ。や、今まで「どんでん返し物」と
知って読んだ物でも、結局わかんなくて驚いてばっかなのに、
途中で完膚無い程わかってしまったのは初めてです。この手のテーマと文章形式で
「驚きの仕掛け」っていうギャップが面白いんだと思うんだけど、優等生的
すぎて判ってしまったのか?それともキャラや展開にのめり込んで仕掛けなんて
二の次!というほどではなかったから駄目だったのか。うーむ。

(↑以上注意)
幼児誘拐と、新興宗教に関連する内容で、非常に優等生的というか
手堅い内容です。べテランっぽい。あまり欠点が見当たりません。
それはどうなんだ?と思う部分もありますが、この作品にあってると
思いました。淡々と書いてますが、良い作品だと思います。
情報を仕入れないで読むと良いでしょう。メインで書こうと思ってた
事は白字でモッサモッサ書きました。はぁ……。


これだけだとアレなんで追加。後半になって物語が加速してからの
引き込まれ度は異常でした。文章に迫力があるという奴です。
慟哭というタイトル以上に相応しいのはないでしょう。