衝撃。

小汚い絵柄の漫画に対しては全然平気で読めるのだが、
いわゆる「萌え」系のオタクに媚びてるような絵柄は唾棄すべきものと
認識して、読む気力が起きませんでした。電○マガジンとかそっち系の。


そんな人間なので、「デジキャラット」の「こげとんぼ」という
名前は俺がピッチャーだったら、キャッチャーに立たせて投げる
くらいあからさまに敬遠指数は高かったわけです。


だから、漫画系サイトで「ぴたテン」という漫画の評価が高かったのを
見ても、「ネタ」だと思っていました。マジで。しかし妙に気になったのも
また事実だったので古本屋で一巻を読んでみました。


思っていた通りの媚びた絵柄に、珍妙な言動でキャラを立たせる痛い芸当。
うーむ。やっぱり俺には合わない。と思い一回は読むのを止めたのですが、
近日、再び読む機会に恵まれ、もう一度読んでみるかと二巻を読み出しました。


二巻、三巻と読み進めている内に気付きました。あれ? もしかして
俺はこの漫画を楽しんでいるのではないか?しかも絵柄とか、
キャラクターとかを超えたストーリーに惹かれているのでは?……と。


四巻、五巻、この時点で止まらなくなりました。一見、能天気な
話の裏側にチラホラ見えるダークでシリアスな側面が徐々に顔を出し
そして六巻、七巻で一気にシリアス一直線。凄い。こんなに話の
続きが気になるのは久々かもしれない。伏線や謎が拡大・収束していくのが
ページを捲る手が震えるほど興奮させられていました。
時間の都合で最終巻までは読めませんでしたが、いますぐにでも続きが
読みたいという衝動に襲われています。


現時点で俺は「こげとんぼ」という漫画家の評価を大幅に修正せねばならなく
なりました。それはもう、この人の漫画は必ずチェックしようと思うくらいに。
小汚い絵柄の面白い漫画が放置されてると偏見なく読めよ……。
と思っていましたが、自分自身が萌え系の絵柄に偏見持っていたのかもな。
と、思いました。「ぴたテン」が面白い漫画であるという事は漫画スキーな
人には常識なのかもしれませんが、もしも俺と同じくこのネームで、
避けていた人は一度読んでみる事をオススメします。