アメイジング・グレイス。アフター含めて全部終わったので感想。あらすじとしては目が覚めたとき主人公は記憶喪失になっていて、助けてくれた女の子によって説明を受ける。この世界はオーロラという壁に閉ざされた街であると。そこから学園生活を送りながら日々を過ごしていくという内容。で、ジャンルとしてはエロゲーマーがみんな大好きループ物です。とある事件が起きてそれを阻止しようと主人公と同じく巻き込まれたヒロインが数週間スパンで過去に戻り続けるといった感じ。

 

舞台はヨーロッパ風の町並みで、学園は美術系の学校。西洋ヨーロッパの美術とキリスト教の宗教観をモチーフにしたようなテーマ。記憶喪失の主人公が学園生活を楽しく送りながらも少しづつ記憶を揺さぶられて、街や人々の暮らし、美術、宗教から違和感を感じていく。物語が進むにつれて謎や違和感がどんどん増えていきまたそれらが少しづつ解消されていく展開が面白い。とはいえベースはドタバタ学園ラブコメディな感じなのでそういうゲームはよっぽどキャラが良いとか、ライターのテキストが面白いとかでないと割とベタで退屈に感じてしまう。残念ながらこのゲームもそうで日常パートは悪くはないけど退屈で、ループや世界の謎に纏わる話以外はやや苦痛でした。

 

ループ自体が何故起きるのか?っという部分は特に重要ではなく舞台装置って感じ。どちらかという魅力としては叙述トリックがふんだんに駆使されているところ。露骨なヒントや、急に登場人物がバカになるようなご都合展開もまぁまぁあったけど、それでも後半パートでのギミックは結構凄まじい破壊力でやってて「!?」ってなった。良質などんでん返し系のミステリ本を読んだ時のような自分の描いていた世界が一度崩壊して再構築されてああああ!って脳汁出る展開があって最高でした。このために退屈な前半をやる価値があったというレベルで良かった。眠気吹っ飛んでぶっとおしでやってしまったもんなぁ。色々ばらまいていた伏線も綺麗に回収しているし各キャラに見せ場があったのも素晴らしい。

 

いやーなかなか良かったです。なにげにそんなに長くもないしね。丁度いい。