鬼頭莫宏なるたる」1〜11巻 読了
激 _| ̄|○ 鬱……。
ひろちゃんとか、のり夫のエピソードは特に。漫画のキャラに殺意を覚える
くらい酷ぇ事になってます。(のり夫の方)描写に容赦がないし、
登場人物達の台詞も辛辣で、グサグサやられてるので正直しんどいです。
だが、それが良い。謎が謎を呼ぶ。素晴らしい。怒涛の展開。素晴らしい。
何時、なにが起こるか判らない、不安感をよぎらせる雰囲気が堪らねぇです。
もうすぐ終わりそうな雰囲気だけど、続きが気になります。


歌野晶午「ブードゥーチャイルド」読了
前世の記憶を持つ主人公が、現世で殺人事件に巻き込まれる。
事件の現場には前世の自分が書き記した絵柄が残されていた。


というのが大雑把なあらすじ。評価としては凡作以上良作未満といった
ところ。冒頭からwebページととメールのやりとりでの記述だったり
するのが変わってます。前世での記憶と現世での事件の関連性が
少しも見えてこないので、一体どんな解決が見られるのだろう?と
思ってページをめくっている内に何時の間にか一冊読んでしまう。それくらい
話の吸引力がありました。残念なのは、中盤以降に探偵役が登場すると、
無数の可能性が垣間見えた話の行方があっさりと一本道になってしまい、
しかも、テーマと事件の関連のお陰でオチが読めてしまった事です。
オチだけがミステリじゃないですが、それを重視するタイプなので評価辛めです。
このような事になったのは、キャラクターの掘り下げ不足だったからの
ように思えます。結局、主人公はどんな奴でどんな事を考える奴なのか?
父はどんな人間だったのか?姉の信条としているものは?探偵の性格は?
こういったものの説明が少なく、まるで主張したいテーマとトリックの
ためだけに存在しているかのようなので、全然表情が見えてこないし、
行動原理が腑に落ちないので感情移入もできないんですね。
この辺りの描写がしっかりしてればもっと面白い作品になっただろうなぁと
思います。惜しい作品。