母の日。コンビニ深夜バイトをやっていた時、朝方にお婆さんがきた。
80歳くらいで、ちょっとボケてて、耳が遠くて、モゴモゴと
喋る可愛い感じのお婆さんだ。買い物を済ませレシートを渡すと、
いらないというので、しまうと、「もうお爺さんが亡くなったからいいのよ」
みたいな事をモゴモゴ言った。よくわからなくて、
「あ、そうなんですか…」と返し、お婆さんは去っていくが、レジの横に
あったカーネーションを見て、「これは貰っていっていいの?」と聞いてきた。
値段が貼ってあるので「売り物ですねー、390円みたいです」
と返すが、「貰っていっていいの?」と、耳が遠い所為かそのまま持っていき
そうな勢い。いやいや、どうするよ?と思っていたら次に並んでいた外人の
お客さん二人が「いいよ。もっていって」と言う。お婆さんはヨタヨタと歩き
ながら、去っていった。えー!勝手な事されても困るんだけどなぁ…と思っていると
そのカーネーションのお金を払う外人。そして「お婆さん可愛いでしょ?
僕にもね、77歳のお母さんいるんだよ」と言い去っていった。

なんつーか、凄いしんみりしました。そしてそういう思いやりのある造作を
さも自然にやってのける外人さんが格好良く思えました。そして、適当に
お婆さんをあしらっていた、自分がなんとも小さい人間だと感じました。
そしてこれを書いてる今、思い出したのはそのお婆さんと亡くなったお爺さん
は、良く来るお客さんだったという事、お爺さんは一度、捨ててあるレシートを
「貰ってもいいかね?みんながどういうの買うか興味あるでなぁ!」と
珍しい事を言ってきた元気なお爺さんだったということ。なんか切ねぇな……。