萌える!泣ける!燃える ゼロ年代 珠玉のアニメソングスペシャ


最高の番組でした。2000年から2010年の間に発表されたアニメソングを
萌える歌、泣ける歌、燃える歌の三つにカテゴリーして、アニメファンと
識者の投票に基づき10選した曲を田中公平を中心に、畑亜貴神前暁
キムラケイサク、渡邊隆史、喜屋武ちあきといったクリエイター、プロデューサー、
作家、コアな識者、ファンといったバランスの良い構成のパネリスト達が、
語っていくという形式。まず、この人たちのコメント能力がどの方もレベル高い。
司会者が誰に振っても安心して見られるし、なるほどと唸るような裏話が色々と聴ける。


選ればれた楽曲も、昔からテレビでやってる「懐かしのアニメソング〜」みたいな
毎年同じようなメジャーで誰もが知っているアニメ曲ではなくて、
本当にここ10年くらいのアニメのファンが、思い入れのある楽曲を選びました。
というのが判る納得の選曲。しかも、曲の長さも概ねTVサイズで、イントロ→A→B→サビ
までしっかり聞かせてくれる。映像の許可が降りた所(なのかは不明)はOPの映像を
そのまま使ってくれるのも多数ありました。


ライブパートでは、奥華子の「ガーネット」、Lia鳥の詩」、五條真由美プリキュア」、
JAM「GONG」、福山芳樹真っ赤な誓い」「オーバーマンキングゲイナー」、
石川智晶「アンインストール」、池田綾子「プリズム」。アニメ好きには当たり前のように
慣れ親しんできた方々の歌ですが、この方達の歌がBSとはいえテレビでしかもNHKで
聴けるだなんて! しかもフルサイズで歌ってくれるんですよ! 感動!
歌い終わった後は、それぞれの楽曲に関しての裏話や、楽曲や歌詞に関してのテクニックや
解説などが聞けるという。なんというか感無量です。(一番のみもありますけど)


NHKのアニメだからというのもあるかもしれないけど、菅野よう子坂本真綾
カードキャプターさくらOP「プラチナ」の楽曲に関しての田中公平の解説や、
丹下桜による生アテレコ、そして、「トップをねらえ! FLY HIGH!」に関しての
特集。田中公平楽曲だからこそ出来るこの特集! 日高のり子佐久間レイによる
シーン再現および、作中曲の熱唱! なにこれ俺得すぎるんですが!w


電脳コイルとかも、作品の面白さは至宝であるのに対して認知度の低さがあるにも
関わらずしっかり尺を取って解説してくれるのはファンにはたまらまないものがありました。


尺に関していえば3時間というロングタイムがしっくりきました。
1時間で語りつくせる訳はないしこれくらいの時間は必要だなと感じます。


そして俺的には一番の注目というか目当てだった鷲崎の司会っぷりも冴え渡っていて
良かったです。普段の悪ふさげっぷりは控えられた印象だったけど、目立ちすぎず、
かといって影にならないスタンス。スムーズな進行と、パネリストへの話題の投げ方、
まとめる能力、要所要所で笑いを取っていく感じ。安定感抜群でした。
番組の趣旨が良くて、尚且つ超面白い番組を、あの鷲崎が司会をしているというのが
たまらなく面白かったです。


もう1人の司会の名塚さん声優でありながら、いかにも声優!といった特殊すぎる声
ではなくビジュアルも一般の女優で通りそうな綺麗な感じで、コメントやトーク
安定していて良かった。勿論、近年を代表しても良い人気声優さんだしね。


むっちゃ長くなったけど、全体を通していえるのは、アニソンに対しての愛と熱意、
こういう企画をやってやろう!という情熱。構成からキャストに至るまで徹底
されたバランス感覚。オタ系の物を取り扱いつつもクオリティーは
一般の人が見てもしっかり見られるという上質感。 これの為にBSを導入した価値は
十分あったなぁと思った3時間でした。


毎年、今年一年のアニソン大賞みたいな形で定期化してくれないものだろうか。
ガチでそう思いました。