羽海野チカ「ハチミツとクローバー」5巻

この漫画は主人公が真山だったり、山田さんだったり、竹本だったり、
するけど、(単純にモノローグがあるか無いかで言ってます、先生はどうだろ?)
要領や、才能は置いておいてどこか逸脱してない一般人な彼らの視点で
語られていく物語だと思ってます。読み手のポジションによって感情移入
できる人物が変わってくると思うのだけど、実直で、いい奴、
将来の明確なビジョンを持たず、不器用で迷い続ける竹本が一番気になる
のです。そんな彼が四巻以降ずっと悶々と沈殿する思考に囚われているのは
見ていて痛々しい。なんとも救われない。今までは三人とも迷走状態だったけど、
真山は道が見えてきて、山田さんも事態が動き出した感がある。だから余計
気になって、誰かこいつを好きになってくれよ。と訴えたくなります。
この漫画の結末にはどうか彼に幸せが訪れますように。


森田の帰国エピソードのはじけっぷりは最高に笑わせてもらった。
奴がいるといないとではギャグの切れ味が変わってきます。後、この作者、
爺さまと、犬書かせたら右に出るものいねぇんじゃなかろうか?
ヨメに怯える爺さん、青春に悶える爺さん、教授連中など笑えるやら愛しいやら。
後、犬のキャラも素敵すぎます。リーダー最高。


あと、どうでもいいことだけど、男連中の服装がここ2、3年変わってないのが
なんか好きだ。といっても毎回同じ服装じゃなく、何枚かある服を着まわしてる
感じ。単に作者が面倒くさいだけなのかもしれんが、少女漫画でコロコロ服が
変わりまくるのも、少年漫画で毎回同じ服装っていうのも芸がないなぁと
思うので、こういう風に服装でもキャラが立ってるちょっとしたリアリティ
みたいなものは良いなぁと思う。