イリヤの空 UFOの夏 読了。(ネタバレ)

吉野が口では格好良い事を言っておきながらも、緊急時に余裕を
無くし、すぐに諦め、本能を露にするしかない(駄目)人間臭さや、
エロ本を見つけて橋の下でオナニー始めたり、重荷に耐えられなくて切れて
八つ当たりする中学生らしさなど、文章描写にリアリティーがあるというか、
読者に訴えてくる説得力が強いのが魅力だなぁと改めて思いました。
南の島での生活の空想はそんな結末だったらどれだけ良いだろうにと思いました。
それが現実と余りにも乖離してるためにとても儚い。結末は虚しいけれど
まとまりは良かったと思います。こういう話でハッピーエンドだと安直だ安易
だと批判されがちですが、それでもやっぱりハッピーエンドの方が良かったなぁ。
季節が移ろい、「夏」は秋に、イリヤは「空」に。水前寺の「おっくれってるー
ーーーーーーーーーーーーーーーーー」を境に、あぁ……終わったんだ。という
感傷が味わえるラストも好きではあるけれど。