西尾維新「ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹」読了

でっかく広げまくって収集つくんか?と不安になる程広がった風呂敷が
さらに広がって、ようやく端っこの方がチラッと見えたかな? って感じ。
一貫した作品のノリと雰囲気はあるものの、毎回ジャンル的な物は
違う感じがあって飽きないですねー。どこに転ぶかわかんねぇ不安は
つきまとうものの。今回はかなりSF色の強い感じです。いっちゃえば
何でもありになってきた。前からそうかもしれんけど。例え今、吸血鬼が
出てきても、ロボットが出てきても驚かないかもしれない。トリックっぽい
ののおざなり感がむしろ心地良いです。あとは設定フェチにはたまらねぇ
ノリですね。月姫とかその手のアレっぽいのがわんさかと。
俺は作りこまれすぎの設定は苦手ですが、それがちゃんと活用されるの
ならば全然無問題です。オナニーじゃねぇならアリ。この人の場合は
どうなんだろうね。
(以下ネタバレ)













<死なない人間>なんて物がなんの比喩でもなく、かといって説明も無く
あっさり退散したり、運命の因果律、<物語>など
実に荒唐無稽になってきました。初刊で占い師が出てる時点で
なにをいわんやといった感もあるけど。<物語>に誤植が必ず存在する
のがそういう<死なない人間>などなら、「友」のわけわかんねー強さの
説明にも繋がるのかなぁと納得。地球を壊すよ?とか寒いし、自分の強さ
に酔ってるみたいな台詞は虫唾が走りますが、そういう規格外な存在が
話の設定に存在するのなら受け入れられます。でも、今後そういう規格外
な存在がそれこそ、誤植ですから。とばかりに大量発生させれても困るけど。
後は「ジグザグの弟子」さんやら「策士」さんやらが、後に出た本によって
能力が上方修正されるのもおおぅ!と唸りますが、後付臭くなるのは
本当になんでなんだろうね。零崎人識もそうだけどさ。なんにしろ強さの
説明がだれだれを回して互角に戦ったとか、奴は信じられないほど強い
っていう誰かの説明等による相対的なもんでしか表現されてないから、
なんだか嘘っぽくなる、というか説得力がねー!そりゃあ強さの序列の
頂点に設定されている「人類最強」となんかしらんが無敵気味な
戯言遣い」が物語に登場する以上、説明しづれぇかもしらんが、あっさり
殺された人物が、実は凄く強い人物でしたー!何故なら○○を敵に回して
互角に渡り合った唯一の存在だからーととっても強そうな人物がいいました。
うわぁそいつは凄い。じゃあその人に関わったり殺した僕はなんか
物凄ぇー!そんなんばっか。いかに主人公と哀川さんがすげぇかっていうのを
遠まわしににおわすような感じだけども、やりすぎな感が漂ってなんとかかんとも。