キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー」95点。最高に面白かった。この作品のためにシリーズを観て良かったレベルで素晴らしい。キャプテン・アメリカのシリーズは実質アベンジャーズ本編なので、マイティ・ソーとハルク以外のすべてのヒーローが全員出てきた。俺が前回のアベンジャーズで不満に思っていた要素である、ヒーローすごい!人類の味方!全員救っちゃうぞ!というご都合主義だろという欺瞞がガッツリ剥がされて、救いきれず、またアベンジャーズとの戦いに巻き込まれて死んだ無辜の民がいるという事が取り沙汰されるというのが非常に素晴らしかった。次世代のヒーローであるスパイダーマンや、前回のEDからの流れであっここの場面で!と言った感動があったアントマン、そして、まさかのお前がブラックパンサーなんだという驚き。主義主張の違いからヒーローが二分して戦う場面も面白かったし、いつもの流れなら真実を知ったスタークがキャップと一緒に戦ってめでたしめでたし、かと思いきや、敵もまた被害者だった、という無常観。過去作に何度も差し込まれたウィンター・ソルジャーがテロで車を襲うシーンそこで車のバックから最強兵士を作る為の血清が、というのがまさかのミスリードで、交通事故で死んだとされるスタークの両親の車だったという事実。実はヒドラによって殺されていたという事実は伏線として出されていたけど、まさかここでつながってくるとは!両親に愛していると言わないまま交通事故で亡くなったことがトラウマになっていると冒頭のシーンで挟まれ、アイアンマン3でお前ヒーロー止めたのになぜ再びアイアンマンになってるんだよという不満が、そのせいでボッツと上手くいかなくなって別居しているという点で解消され、精神的にも肉体的にも弱っている(目の下の怪我がずっと残っているのが象徴的)スタークに最後のトドメとして描かれた両親が殺される映像。キャップVSアイアンマンの構図は過去作でも主義主張の違いで描かれてきたから、どうせ今作もそういう主義の違いでのものだろうというミスリード。だけどこれはもうどうしようもないよね、という有無を言わさない説得力のある原因。操られていると判っていても両親を殺した敵が眼の前にいる。誰もスタークを責められない。なんだけど父を殺した男を殺さないで死の復讐の連鎖を断ち切ったブラックパンサーの姿が一縷の希望として残されるという非常に胸熱の展開。いやー本当に素晴らしい。パーフェクトだ。